エゴは消えたくない

エゴが落ちたら、自分という個人は消えてしまいます。それは決してあり得ない話しではありません。なぜなら、自分という個人がいるというのは、単なる思い、思考に過ぎないからです。

ただし、その思いは物凄く固くて、本人にとっては動かしがたい事実のように感じているので、よほどのことでもない限りは、自分が消えるということはありません。

とはいうものの、自分が消えたらどんな感じなんだろうと考えてみたことはありますか?もしも自分がいなければ、当然のことながら相手もいないと分かります。

自分が居なければ、この地球上には他の誰もいないということが瞬時に分かるはず。私たちは、自分がいるので周りにも他人という個人がいると感じているに過ぎないからです。

自分がいなくなったら、きっと、それまで自分に起きていたあらゆることが、他人に起きているかのように感じられるようになるでしょうね。

それまでの自分の経験が、全部丸ごと他人のした経験であるかのように感じて、傍観することになるはずです。自分が怪我をしても、誰かが怪我をしたように感じる。

残念ながら、怪我による痛みはその肉体には自分がいたときと同じようにあるはずですが、それでもその痛みを感じている自分はいないのですから、楽なものです。

ただこの肉体のある場所に痛みという感覚があるということです。自分がいなくなると、個人的な欲望や望みのようなものは消えてしまうでしょう。

当然のことですが、守るべき自分がいないのですから、苦しみの根源である自己防衛の必要がなくなり、無防備になっていくはずです。

それは間違いなく愛が活性化することになりますね!自分がいないと、こんなにいいことばかり。それでも、私というエゴは消えたくはない、そう言っているようです。