いっそのこと死んでしまいたい、そう思っている人が実は、人一倍死を恐れているという事実を知っていますか?矛盾しているようですが、本当のことです。
クライアントさんの中には、死にたいという願望をマインドの中に持ちながら、生きている人が時々いらっしゃいます。そういう人は、自分は死ぬことは別に怖くないと言うのです。
死ぬことよりも、生きねばならないことの方がよほど辛いのだと。けれども、よく考えてみれば分かることですが、その生き辛さの原因は何処から来るのでしょうか?
それこそが、死を恐れるマインドからやってくるのです。死を恐れるあまりに、あらゆる自己防衛を続けることで、そこから自己犠牲が発生して生き辛くなるのです。
正確ではないとしても、おおよそ以下のような順番でマインドが進んで行くのです。
エゴができる→死を恐れる→防衛によって苦悩する→生きることを恐れる→死にたくなる
上のように一直線に進んで終わりになるのではなく、それを何度も繰り返すことになるのです。たとえば、エゴは防衛することでより強化され、その結果より強く死を恐れるようになるのです。
その連鎖によって、また防衛も強くなり、更に生き辛さを増していくわけです。このようなことが、人生の中で繰り返されて、いずれは破たんするはずです。
そして、どうにもこうにもならなくなったとき、この連鎖に歯止めがかかるのです。それが自然の摂理というものです。自動的に恐れから逃げなくなるのです。
けれども、そんな自然の癒しに至るまで生き続けるのは、どんなにしんどいことでしょう。それよりも、勇気を出して余力があるうちに自分を癒すことを考える方が、賢い選択だと思いますね。