子供が作った大人の自分

私たちは、年齢とともに自然と成長して、社会性を身につけた大人へと変わっていくわけです。初めは親や兄弟などの家族との関わりがありますね。

そして幼稚園や学校などで同年代の友達との関わりがあって、いずれは社会に出て行くのですが、その過程で良いにつけ悪いにつけ揉まれて大人になっていくのです。

それが自然な成長の過程なのです。けれども、幼い頃の家族との関わりにおいて、ゆったりと安心して過ごすことができないでいると、その子自身が自分を大人のようにさせるのです。

自然な過程で揉まれて大人になったわけではなく、自己防衛のために止むを得ず無邪気さを捨てて、大人っぽい生き方を始めてしまうということです。

それはある面ではその子を助けることにもなるのですが、一方では大切な無邪気さを封印して、自己犠牲が続く毎日となってしまい、いずれは破綻を起こすことになるのです。

擬似的に作り上げられた大人の自分では、実際に社会に出ても無理や我慢が限界を超えて、どうしても生きづらい人生になってしまうのです。

大抵は、自分が他の人たちのように普通の社会生活を送れないと悩むことになるのですが、それは本当の大人になっていないからだと気づく必要があるのです。

幼い頃に封印してしまった無邪気な自分のことをしっかり思い出して、その存在を自分の中で使ってあげることです。つまり表舞台に出して活躍させてあげるのです。

そうすることで、大人っぽさと無邪気さのバランスが取れるようになって、少しずつでも生きることが楽になっていくはずです。