桜の姿に思うこと

東京では、そろそろ桜が満開になりそうになってきましたね。各地の名所では、たくさんの人出でごった返すのでしょう。

川や池などの周囲にある桜を見ると、水面に向かって伸びている姿を見かけますが、あれはなぜだか知っていますか?

植物は基本的に太陽の光に向かって成長するのですが、水面が近くにあると、水面が太陽の光を反射するために間違ってそっちに向かって伸びるのだそうです。

でも水面すれすれのところで、また上に向かって伸びていくのは、今度は水面近くの空気の温度が低いので、そこから遠ざかろうとするのかもしれませんね。

桜にはどんな意思も思考もないし、当然無意識状態なのに自然の摂理によって、そうした姿を見せてくれるわけです。

実は私たちも桜と基本的には同じなのです。思考によって、エゴが作られることで自分は特別な存在だという自覚を持っただけで、本当はどんな行動も自動的なのです。

川の水面に落ちた桜の花びらが、放っておいてもいずれは大海原まで運ばれていくように、私たちもいつかは誰もが大いなるふるさとへと戻っていくのです。

それが決まっているのですから、人生が不安ばかりで生きづらくても、それをそのままにして、今日見える川の景色を楽しめばいいだけなのですね。