柔らかくある人

この社会で素晴らしいとされているものは沢山あります。向上心とか、探究心、正義感、信念、根性等々。

ただこうしたものも、一つ間違えると面倒なことを引き起こす原因にもなり得るのです。なぜなら、それらはすべて自我のものだからです。

たとえば信念というのも思考の一つであって、そこから頑なさというものを伴うならば、柔軟さに欠けることになるのです。

あまり世間的には評価されにくいかもしれませんが、私は人の柔らかさというものにいつも注目しています。

柔らかい人は、正しさに価値を見出さない人です。凝り固まったような信念も持ち合わせていないし、特別こうじゃなければいけないというのもないのです。

身に起きることに対して、その瞬間瞬間に柔軟に応答することのできる人。あらかじめ決まった答えを持ち歩いていないということです。

特定の誰かの意見に味方をするのでもないので、時として優柔不断と思われるかも知れませんが、要するに流れている人です。

生の流れと共にいる人は、この柔らかさをいつも携えているのです。これこそが自然でいることにつながるのだと思います。