生まれてきた理由

私たちは元気いっぱいに毎日を暮らしている時には、自分が何で生まれてきたんだろうなどとは考えないものです。

万が一、そんな疑問が浮かんできたとしても、答えは出ないのだからそんなことは考えても時間の無駄だとするのです。

しかし、何かにつまづいて困っているときや、どうしていいか分からなくて悩み苦しんでいるような時は、何で生まれてきたんだろうなあと自分の人生を恨めしく思ったりするものです。

人は本能的に、追い詰められて絶望的になっている時ほど、本質的なことに目を向けるようになります。

それを現実逃避だと簡単に片付けることもできますが、疑問を追及することで豊かな人生を取り戻すことができるとしたら、ピンチはチャンスにすることができるということになるのです。

「奇跡のコース」には、自分が何者であって、生まれてきた目的は何なのかということについて、明確に記述されています。ほんの少しの淀みもない、潔いはっきりとした態度で明記してあります。

それは読んでいて、とても気持ちのいいものです。なぜか、心が洗われるような、そして安らいだ心地よさを味わわせてもらえます。

それはきっと、心の奥底に隠し持っている本当の自分の時の記憶と、かすかに繋がろうとするからではないかと思っています。その記憶がどれだけすばらしいものなのか、今の自分には想像もできませんが。

よく、親にもらったこの命、粗末にせずに感謝をもってこの人生をまっとうしなければならない、というような言葉を聞くことがあります。

所詮人生は辛いもの、弱音を吐かずにしっかりと天寿をまっとうするべきなんだということなのだと思います。

「コース」では、本当の自分は唯一の愛の存在であり、それを思い出すためにこの人生という時間を使うのだと言っています。他には一切何の価値もありません。

過酷な人生に立ち向かっていく必要もなければ、歯を食いしばって頑張るようなことも一つもないということです。ただ、自分を思い出すためには、心の訓練をする必要はあります。

その方法を「コース」は教えてくれています。