楽しいと楽の違い

普段私たちが使っている漢字の種類は膨大にあるにもかかわらず、「楽しい」と「楽(らく)」を同じ漢字で書くというのは不思議なことです。

というのも、楽しいのと楽なのは根本的に違うからです。突き詰めて考えることがなければ、何となくニュアンスが違ったとしても似たようなものなんじゃないかなと思ってしまうかもしれません。

しかし、実際には楽しいというのは、そこに喜びが一緒にあるように思います。しかし、その時に同時に楽だなあというニュアンスはあまり見当たりません。

楽の逆にキツイとか、苦しいなどということが楽しいと共にあってもいいように思います。楽しいというのは、100%心の状態を表現しています。

ですから、仮に心が楽しんでいたとしても、身体がきつかったり苦しかったりすることはいくらでもあるのです。

例えばスポーツ全般に言えることですが、マラソンが趣味で楽しんで走っているときに、身体が楽という事はあり得ないですね。

一方、楽というのは主に身体に対しての表現である場合が多いように思います。なので、楽な状態であっても、必ずしも心が楽しんでいられるとは限りません。

お風呂に入ってゆったりくつろいでいる時は、確かに満員電車の中で汗をかきながら到着を待つよりも楽です。

でも湯船の中で明日の仕事のことで心配ごとをあれこれ考えていたら、それは決して楽しい時間ではなくなってしまいます。

結局、楽しいと楽の違いは、心と身体のどちらに意識が向いているかということに深く関連しているということかもしれません。

身体がいくら楽な状態でも人は幸せを感じることはありません。幸福感は楽しさや喜びなどの心の状態からくるものだからです。

あなたは楽しい人生を送りたいですか?それとも、楽な人生でしょうか?きっと自分が目指すほうの人生になっていくはずです。