笑いに転嫁

私はお笑いが大好きです。仕事で海外に少し長めに行かなくてはならなかったときに、しばらくして何だか物足りないなと思い、そうだ日本のお笑いが恋しいのだと気付いたことがありました。

笑うというのはとても気分爽快にしてくれますし、横隔膜が振動することでそれだけで結構な運動になったりもするみたいです。

少しぐらい気分のすぐれないようなときでも、大笑いしてしまえばその後はカラッと元気になれたりもするのでとても便利です。

しかし、笑いの中にはちょっと変わった笑いがあります。ある意味、ホンモノの笑いとは違うニセモノの笑いがあるのです。

多くのクライアントさんとのセッションの中で、たまにあることなのですが、ご自身の過去の悲惨な出来事をお話ししているときに、泣いてしまうのかなと思いきや、逆にケラケラと笑い出す人がいるのです。

あるとき、あまりに不振に感じて、何か面白いことがありますかと聞くと、ご本人はなぜか分からないが笑いがこみ上げてきてしまうということでした。

これは実は本人も自覚のない無意識の中で、あまりに辛い体験を思い出してその時の本当の感情に触れるのが怖いために、その感情を笑いに転嫁してしまったのです。

そして笑いに転嫁されてしまう感情は恐怖だけではなく、悲しみや怒りなど、ほとんどのネガティブな感情に対して起こりえます。

催眠療法のセッション中にも、何度も同じような経験をしたことがあります。そして必ずご本人はなぜ自分が今笑ったのか聞かれてもはっきりと答えることができないのです。

困ってしまったり、降参するときなどもこの笑いを使う人がいますね。これも全く同じようにおかしくて笑っているのではなく、その時の本当の感情を味わうのがいやなので笑いというある意味逆の感情に変えてしまうのです。

本当は笑いたくもない状況であるにもかかわらず、気がつくと笑っているということがなかったでしょうか?もし、思い当たる事があるのでしたらその時どんな感情から逃れようとしていたのか見つめてみることは、癒しにとってとても大切なことだと思います。