伝えようとする心

何かを相手に伝えようとして伝わらないと感じることはフラストレーションとなりますね。伝える目的は様々あるかもしれませんが、伝わらないことは心を落胆させてしまいます。

それは一体なぜなのかを考えてみたいと思います。それには伝えようとする、その意欲はどこからくるのか、何の目的があるのかを考える必要がありそうです。

まず初めに、伝えたいと思う理由とは、伝わって欲しいと思う気持ちから来ているということは確かなことです。

何が相手に伝わって欲しいことなのかと考えてみると、自分の気持ちだったり、自分の正当性であったりするわけです。

相手に伝わるということはそれを理解し、受け止めてもらえるということを想定しているわけですから、自分は今怖い、怒っている、悲しんでいる、不満だ、落胆している、嬉しい、などの心の状態を受け止めてもらいたいということですね。

そして実は女性に多いのかもしれませんが、伝える内容よりもただ伝えたいという気持ちそのものを受け止めて欲しいという願いもあることを忘れてはいけません。

一方、自分の正当性を受け止めて欲しいというのは、相手に認めてもらいたい自分の正しさ、あるいは自分のいい部分を誤解のないようにしっかり評価してもらいたいという思いです。

誤解されて不当な扱いや間違った評価をされては困るという思いがあるのです。いずれにしても、そういった思いが強ければ強いほど、伝えようとすることにも力が入るというわけです。

しかし、もう一つ相手に伝わって欲しいと思う事柄があります。それは、それが伝わることで、相手がいい気持ちになったり、楽になれることに繋がるような場合です。

つまり先ほどの理由が自分のことであったのに対して、こちらのほうは相手のことを思う気持ちが多く含まれているということです。

その時には、伝えようとする自分の気持ちも穏やかで、やさしい思いに満ちている感じがします。それは相手を思う愛の気持ちがベースにあるからです。

そしてその場合には、たとえ期待したように伝わっていないと思う場合でも、それほどの落胆というものを感じることはありません。

自分が相手に何かを伝えようとするときに、自分はどちらの気持ちが優勢なのかよく見つめてみることです。もしも、伝わらなかったことにひどくダメージを受けるようなら、自分を優先しているからだと理解することです。