傷つきやすい仲間たち

先日、マグカップを洗っているときに、手が滑ってシンクに落として欠けてしまいました。そのカップは長い事セッションの時に使っていたものです。

実は欠いてしまう数日前から、何となく茶渋が取れにくくなったし、もう随分と長い事使っているし、そろそろ新しいのでも買おうかなと思いだしていたのです。

今まで洗っていて洗剤で手が滑って落としてしまったことは何度もあったのですが、全く欠けるようなこともなく丈夫でいいなと思っていたのでした。

それなのに、新しいのを…という考えが浮かんでまもなくそういうことになってしまいました。以前にもどこかで書いたことがあったのですが、私が普段使っているモノはそういうことが多いのです。

冷蔵庫を買い換える時にも似たようなことがありました。もう少し大きめの物を買いたいなと思い出したときに、急にその冷蔵庫から異音が出るようになったのです。

結局、それが買い換えることを余計に促す結果となったのですが、どうも違うものを自分が欲しいと思うと何かを起こして訴えてくるように思えるのです。

4年くらい前にクルマを買い換える時は大変でした。新しいクルマを物色し出した時には、悲鳴のような異音が運転中に聞こえるようになりました。

ああ、またこういうことが起きてると思いながらも何とかやり過ごしていたのですが、ディーラーに下取りのために持って行くという最後の日にびっくりすることが起きたのです。

今まで一度も起きたことがないのに、急にトランクが開かなくなったのです。トランクに入れなければならない大きめの荷物があったので困りました。

そしてしばらく私を困らせた末に、何事もなかったかのように普通に開いたのです。ディーラーに行く運転中に、今までありがとう、やさしいオーナーさんにもらわれるから安心してねと声をかけて、ダッシュボードやシートを撫でてあげました。

所有している私にお払い箱にされるんだと思うと、傷ついてしまうのかもしれないなと思うのです。ちょっと切ない話しですが、その繊細さはきっと私自身の投影なんだろうと思っています。