助けてもらってはいけないという思い込み

この世界では、通常、幼い心である依存状態から、成熟した心である自立の状態へと進化していくことが良いことだとされています。

何もかも未発達な子供は自分ではできないことが多くて、それを両親や周りの大人たちからの支援を受けながら成長していくわけです。

その過程において、少しずつ自らの能力を向上させていき、大人になる頃には精神的にも経済的にも自立することを期待されます。

その期待値は、女性よりも男性に対しての方がより強い傾向があるように感じます。一般的に言われるのは、女性には優しさが求められる一方で男性には逞しさが求められるという点とも符合しますね。

したがって、特に男性により多く見られる傾向なのですが、立派な大人、社会人にならなければならないというプレッシャーを持っていることが多いのです。

そして、そのプレッシャーの中には、誰にも助けを求めずに、自力で難関を突破していくべきであるといった考え方があるのです。

そうすると、苦難がやってきても、おいそれと他人に助けを求めることができなくなってしまうのです。それは、「助けてはもらえない」あるいは、「助けてもらってはいけない」という思いに成長します。

勿論それは当人だけの思い込みであって、周りの人たちはそれほど冷たいわけではないのですが、本人が助けを求めてこないだけでなく、苦しみを隠そうとするので、結果として誰も手を差し伸べないという状態となるのです。

このような人生がとても孤独であるということを想像するのは、それほど難しいことではないですね。困っても、素直に助けを求めることができないのですから。

しかし、こうしたことは社会的なプレッシャーからきた単なる間違いであるということを認めることができれば、生き方を変えていくことも可能なのです。

もしも、素直に「苦しいので助けて欲しい!」と表現することができたら、本人はどれほど安堵することができるでしょうか。

自分は該当するかもしれないと感じるなら、勇気を持ってその言葉を言ってみることです。「私を助けて下さい」と。これは聖なる言葉です。

すると、あれほど苦しかった毎日が、びっくりするほど楽で平安なものに変わっていくはずです。仮に騙されたとしても失うものは何もありません。実践あるのみです。