痛みから逃げないこと

心の鎧をまとったその内側に、守るべき弱い自分、見たくない惨めな自分がいることを思い出すことです。

どんな人であっても、必ず情けない弱々しい自分を隠し持っているものです。その部分を、他人からも自分自身からも見えないようにしているのです。

けれども、そのことをもっと正確に捉えておく必要があるのです。つまり、自分のことを弱いと思っている自分がいるということです。

惨めだという思い、情けないという思い、ただそれを隠し持っているということです。実際に惨めだったり情けないということではないということです。

私たちは、つい思考の中でめぐらしていることを真実だと思ってしまう癖があるようです。実際には、どんな自分もいません。

ただあるがままのことが起きているだけだからです。それを思考が勝手な解釈を作って、自分のことを否定しているだけなのです。

思考はあたかもそれが事実であるかのようにして、そこに様々な感情を生み出すのです。そして本当は、その感情から遠ざかろうとしているに過ぎません。

なぜなら、その感情は心に痛みを感じさせるものだからです。ですが、それは単なる痛みでしかないのです。それ以上でもそれ以下でもありません。

ただの痛みから逃げようとするからこそ、苦しみを背負うことになるということに、もうそろそろはっきりと気づく時が来ているように思います。