癒しは向こうからやってくる

セラピストという仕事柄、本当に沢山の方々の人生に触れさせていただくことができることは、何と貴重な体験なんだろうと思うのです。

深くお伺いすればするほど、一つとして同じ人生など当然のことながらないことが分かります。一つひとつの人生はすべて、特別なものですね。

クライアントさんの人生をつぶさに見せていただいているときに、こんな理不尽なこと、これほどの酷いことをどう考えたって一生許せるもんじゃない!と思うことも時々あります。

クライアントさんに同情しているというよりも、自分だったらと感じてしまうために、いたたたまれない気持ちになってしまうということです。

一方で、クライアントさんはそんな拭いきれない惨めな体験をしてきたにもかかわらず、相手を許さなければならないと思っていることも多いのです。

どんなことを経験したとしても、どんなに傷つけられても、相手を許したい、許すべきという想いがあるのも事実です。

その一方で、やっぱり許せるものかという想い、そして決して許したくないという強い怒りを持っていることも事実です。

どの想いも大切な本音なのです。互いに矛盾するすべての本音に対して、あるがままを平等に受け入れてあげることがとても大切なのです。

どの本音についても、それを無理に捻じ曲げたり、隠したりすることなく、自分の大切な感情がそこにあるということに気づいて、やさしく抱きしめてあげればいいのです。

そうすれば、癒しは自然と向こうからやってくるはずです。