無限に広がる意識

私たちがどれほど努力をして、自分の人生を満ち足りたものにしようと頑張っても、あなたが個人として生きているという思いに圧倒されている限りは、どうにもならないのです。

大切なことは全体性なのです。あなたが全体性に気づくとき、あなたこそが全体性そのものであるという本当の理解がやってくることによってのみ、生が根本的な変容を迎えることになります。

それなしには、何も変わらないということです。自分は全体から分離したある部分だという認識は、必ず不満や苦しみに襲われる現実を作ることになるのです。

途切れることなく活動し続けている喧しい思考が緩んでくると、あなたが普段既知だと思い込んでいた事柄が、軒並みそうではなく、何も知らなかったと気づかされることになります。

自分は何も知らなかったという深い気づき、そうして自分の名前や性別、所有物あるいはこれまでのすべての記憶に至るまでが、剥がれ落ちていくのです。

そうして自分の形はおろか、自分と関連していたあらゆるものも、本当は何もなかったと分かるときが来ます。あなたは、上下、左右、前後、全く不覚になるのです。

この恐怖から逃げずにじっと見ていれば、その中心にいたと思しき自分はいなかったと気づくことになるのです。それはある種、あらゆる面倒から解放された清々しさを伴うかもしれません。

本当のあなたがいないのではなくて、これまで自分とはこういう人物だとイメージしていた自分がいなかったと気づくことになるのです。

あなたはどこにもいませんでした。それは、言葉を変えるとすべてだということ、それが全体性なのです。目を閉じてしばらくじっとしていてみて下さい。

そうすると、あなたは自分の身体とマインド(思考)がすぐ身近にあり続けることを感じるはずですが、そのことはそのままあなたとは、身体でもマインドでもないということを見せてくれているのです。

無限に広がる意識を、そのうえで戯れている自分の思考と区別することです。意識とは、あなたの身体や思考、そしてこの宇宙全体を起こしている土台なのです。