ほとんどの人が、自分以外の誰かとの関わりの中で生きています。この社会の一員として生活しているということです。
どこかの山奥にでも独りで籠って、世間と断絶した生活をするのでない限りは、どんな仕事をしようと、どんな毎日を生きようとも、誰かとの関わりがそこにはありますね。
ただ、その関わり方にはいろいろあるわけで、私のように深い関わりを持たずに生きている人もいるでしょうし、その逆に何にでも首を突っ込んで、深く関わろうとする人もいるはずです。
私はこの仕事をするようになる前まで、ほとんど自分のことしか見ていませんでした。自分に都合の悪い人たちとは関わらないようにしていたということです。
自分が我慢をしてまで、誰かと一緒にいたくないとずっと思ってきたからです。だから、いわゆる人間関係というもので困ったという経験がなかったのです。
それは当然ですね、困らないように、面倒なことに巻き込まれたりしないように気を付けて、苦しむような関係を作らないようにしていたのですから。
だからこそ、セラピストになって多くのクライアントさんから、人間関係について困っているというお話を聞いて、本当にびっくりしたのです。
最初に感じた正直な想いは、いやならその関係をやめてしまえばいいのに、でした。勿論、このシンプルさは今でも大事だと思っています。
ただし、やめてばかりでは、いつまでたっても人との関わりの中から大切なものを受け取るという体験ができなくなってしまうということにも気づきました。
誰とでも深く関わってしまう人は、それだけ葛藤を抱えたり、人との軋轢の中で苦しんだりすることが多くなるのは事実ですね。
けれども、そうしたことも一つの体験としては貴重であって、決して間違ったことではないと感じるようになったのです。
クライアントさんから、どんな話しをお聞きしても、根本的なところでは決して間違ってはいないということが分かるのです。
何でもやり過ぎれば、生がそれを正してくれます。自然とほどほどのところに戻されるものです。私のようにやらな過ぎでも、しっかりとほどほどのところへと持っていかれるのですから。
だから私は、今沢山の方々の人生を深いところまでご一緒に見る機会を与えてもらっているのだろうと思うのです。ありがたいことです!