奇想天外な方法

ある王様が、とある女性を好きになったのですが、実はその女性はその王様の家来の男のことが好きで、二人は影でこっそり逢瀬の恋を楽しんでいたのです。

それを知った王は、知恵袋として付いている者に相談した結果、彼はあることを思いつき、王様もそれに同意したのです。それは奇想天外な方法でした。

王様は、その女性と彼女が好きなその家来とを裸にして、みんなにみえるように縛りつけてしまったのです。それもぴったりと二人の身体がくっつくようにして…。

王様がその女性に憧れを持っていたことを知っていたものは、誰もがとても驚いたのです。なぜ王様はその家来の男に嫉妬しないでいられるのだろうかと。

ところが、数日経つうちに、真夏の暑さの中で縛られて見世物にされた二人は、汗ばんだ互いの身体に触れるのもいやになってしまったのです。

そして、縄を解かれたあと、二人は城から逃げ出しただけでなく、二人はもう二度と互いの身体にくっつこうともしなくなってしまったということです。

王様は、知恵袋の者の洞察の鋭さに驚いたのでした。この逸話のいいたいこととは、どんなことでも休養が必要だということです。

どれほどの快感であれ、どれほどの悦びであれ、それがずっと続くのであれば、いつかは拷問と同じことになるのです。幼い子供は、同じことを繰り返し続けても大人ほど、すぐには飽きないものです。

それでも、いつかはそれを止めたくなる時がやってくるものです。休養はそれを中断するものとして、忌み嫌う気持ちが誰にもあるかもしれませんが、休養は決してその対極にあるものではありません。

休養とは、それを引き立てる大切な立役者だということですね。ですから、何事も休養をとってほどほどに。