福は内、鬼も内

今日は節分でしたね。自分が子供の頃は、母親からマメをもらって外に出て、大きな声で「福は内、鬼は外」を叫んだものです。少々恥ずかしさもあったのですが、食べ物であるマメを思い切り投げられるのが、何だか気持ちよかったのを憶えています。

近所の家からも、そうした子供の声が聞こえてきたものです。でもよく考えたら、自分の家には来るなと追い出した鬼は、一体その後どこへ行ってしまうのでしょうか?

誰か憎たらしい奴の家へでも行ってしまえばいいと思ってるわけではないものの、人さまのことまでは気にしないということが前提にあるのでしょうね。

本当のところ、福も鬼も私たち自身の内側にこそ在るものですよね。マインドの中には、善も悪も同じくらいずつ備わっているのですから。

当然、悪(鬼)は正面から見ることなく潜在意識の中へと抑圧されて、善(福)だけが表面に残るわけです。それが人間の苦しみのすべての原因なのですが…。

福が来ても、鬼が来ても、どちらもあなたの内面が引き寄せたものだということに気づけば、「鬼は外」などという発想は消えて行くはずです。鬼はあなた自身なのですから。

外側の世界と内側を分けているのもマインドの働きであって、実は外側のすべてがあなたのマインドの投影であると分かればいいのです。

福が来たら思い切り悦び、鬼がきたら思い切り悲しんだり怖がればいいだけです。福も鬼もずっと居座るということは決してあり得ないからです。すべては一過性なのです。

私は会社を辞めた直後の半年くらいの間、眠りに就く前にずっと内面から持ち上がってくる鬼を見せつけられていたことがありました。そのおどろおどろしい姿は、言葉では表現できないくらいです。

でも少しも怖くはなかったですよ。見てしまえば、そのエネルギーは自然と消滅していくのです。無自覚に隠そうとしてきたものだけが、ずっと残っていたというわけです。

今でもたまに、瞑想中に鬼のイメージが見えて来ることがありますが、可愛いもんです。しっかりと自覚すべきは、福は~内、鬼も~内ですね。