「桁外れな何か」を見る

注意深く、今この瞬間をとらえようとしていると、それに比べて普段のごく当たり前の過ごし方が非常に粗いものだということが分かります。

粗いというのは、意識レベルが低いということです。とても雑に瞬間瞬間を生きているということが如実に分かってくるのです。ああ、勿体ないなあと。

そうやって反省するのですが、またすぐにいつもの自分に逆戻りしてしまうんですね。そこには、無限とも言える言い訳が横たわっているのです。

誰かと一緒にいなければならないし、仕事をしなければならないし、食事をしなければならないし、運動をしなければならない等々、いくらでも出て来るのです。

だからこそ、一人静かにいられるときには全力を上げて、今この瞬間にいられるようにしなければいけないということです。意識は、私たちが思っている以上にもっともっと鋭敏に研ぎ澄ますことができるのです。

身体のあらゆる感覚を感じつつ、マインドの動きを監視しつつ、周りからやってくるあらゆる音に耳を澄まし、自分の呼吸のリズムを体感し、虚空を見つめるのです。

そうすると、周囲に見えているものの奥底に、隠された何かを感じるようになるはずです。それは、大きさも位置も形もなく、ただ在るという桁外れな何かなのです。

そこが目立ってくるのです。目の前に実際に見えているものはそのままにして、ただ在る何かにしっかりと注意を向けていると、粗雑な意識から何とも精細な意識へと遷移します。

瞑想するのとは違う、こうした方法もたまにはいいですよ。興味があれば是非試してみて下さいね。