「自己主張してはいけない」という防衛

セッションをしていて、なかなか難しいなと感じることがあるのですが、その中でも自己表現、自己主張をしてはいけないという自己防衛に乗っ取られているクライアントさんの場合は特に困ったなと感じるのです。

セラピストができることなど、本当にたかが知れているわけで、クライアントさんが本音を言ってくれるようにできるだけ促すのですが、それがほとんど通用しない。

なぜなら、「自己表現してはいけない」が鉄壁のガードをするからです。たとえば、右と言うと、そのすぐ後に左だと言うのです。そうやって、自己表現をどっちつかずの状態へと持っていくのです。

結局、自己表現するべきなにものも自分は持っていない、ということを伝えようとしているかのようなのです。だから、一つも真意が伝わらないのです。

このような場合、類推する以外に手立てはないのですが、きっと幼い頃に自分の言いたいことを言うと、親から期待とは裏腹の反応をされて、痛い思いをしたのでしょう。

それが度重なることで、自分独自の意見というものはないのだというようにして、安心しようとしたのでしょうね。そういう場合、何かを話そうとすると、検閲システムが発動するのです。

検閲システムによって、その言葉を発したならどのようなことになるのかをプリチェックするのです。だから、ご本人は常に言葉を濁したような感覚で生きることになるのです。

結果として、人と一緒にいるとしんどいという状態になり、人間関係を疎ましく思うようになるのでしょう。こうなると、普通のセラピーではどうしようもありません。

自然と感情のままにいるという体験ができるような、そんな瞑想などをするのが適切かもしれません。osho のダイナミック瞑想は、そんな人にはとても適していると思います。