自己防衛の二つの方法

私たち人間が、他のあらゆる動物と違うのは意識があるということ。自分のことを自分であると認識できる、つまり自覚することができるのです。

ただし、それと同時に自我を作ってしまったことも他の動物と異なる点なのですね。自我は、自分を肉体やマインドと同一化するために、自己防衛せざるを得なくなったのです。

その自己防衛の方法は、まさに千差万別であって、それぞれの人が自分の得意なやり方を幼いころからマスターし出すのです。

その自己防衛の方法を大きく二種類に分類するとしたら、一つ目は他人の評価を積極的に利用する方法であり、二つ目は他人の評価をシャットアウトする方法です。

一つ目の方法というのは、人からの肯定的な評価を得て、不安を安心に変えようとするため、常に自己犠牲をもたらすことになり、怒りを溜める結果となるのです。

そして二つ目の方法というのは、自閉することによって都合の悪い外部からの評価などを全く感じないようにしてしまうやり方なのです。

どちらの方法であれ、それが強力であればあるほど人生を棒に振る結果となってしまうのですが、セラピストの立場からすると、一つ目の方法を使って防衛している人の方が癒しにとっては都合がいいのです。

なぜなら、二つ目の方法で防衛する人の場合には、大切なことに気づくチャンスが非常に少なくなってしまうからです。セラピストの言葉は、このような人には届かないことが多いのです。

どれほど辛い人生を生きてきたとしても、一つ目の方法で防衛してきた人は、外側からの情報に耳を傾ける能力が残っているのです。

両者が話し合ったとしても、決して分かり合えることはありませんが、二つ目の人たちにとっては、そうしたことも気づくことができないはずなのです。

人は誰でも必ず自己防衛しています。あなたは、どちらの方法を主に使って生きてきたでしょうか?きっとこのブログを読んでいるのですから、一つ目の方法をメインにしてきたのでしょうね。

だから多くの気づきのチャンスがあるということです。