人類の歴史を見れば明らかですが、世の中には敵か味方かのどちらかしかいないのです。敵とは戦い、味方とは協力してやはり敵と戦うという具合に。
そしてもちろん味方とだけ一緒にいたいと願うのです。だから敵を排除するために戦いがやめられないのです。
ところが自我にとっては、隠された部分では敵がどうしても必要なのです。戦うことが自我の生きる原動力となっているからです。
この場合の敵というのは、何も人間だけではありません。困った事態や病気、あるいは逆境なども敵としてみなされます。
こうした敵というものは自分の外側にあるのが常ですが、たまに自分の内側に敵を作り出してしまう人もいます。
当然自我にとっては最も都合の良い状態なのです。なぜなら外部にわざわざ敵を見つけに出ていく必要がないからです。
お目当ての敵はいつも自分と一緒に一番近い自分の内側にいるのですから。こうなると、自我はその力が衰えてくる心配をしなくて済むのです。
内側の敵が目立った動きをしようものなら、あっという間にそれを叩きのめして深いマインドの奥に放り込んでしまえばいいのですから。
ただし一時的にやっつけられたはずの敵は、マインドの奥に潜伏しているだけで決して死んだりはしないのです。
逆に、またチャンスを狙っては復活して戦いを挑んでくるのです。だから自我はまた戦うことができ、これがエンドレスに繰り返されるというわけです。
もしも自我の勢力から解放されて、穏やかで清々しい人生を生きたいと願うなら、あなたが敵対視しているマインドの部分を受け止めることですね。
それ以外に方法はないと気づくことです。