私たちみんなが自我と自己同化しているのですが、その自我の存在は人との関わりの中にのみあるのです。
つまり自我は、個人としての中心に居座っていると思いがちですが、実は人との関係性、コミュニケーションによって生きているのです。
だからコミュニケーションを楽しく感じられるのか、それとも不快なもの苦手なものとして感じられるのかは重大な問題なのです。
もしも、幼い頃に怖くて喋りづらい親がそばにいたら、あるいは話が噛み合わない親がいたら、その子供はきっとコミュニケーションを嫌なものと感じるようになるはずです。
子供の頃というのは、一家団欒が好きなのです。それは家族みんなが揃って何かしら楽しくお話をし合うからです。
子供はそうしたことを繰り返すことで、コミュニケーションは楽しいものだと身体で覚えていくのです。
人との会話は楽しいものだと思って育つのと、会話は苦手で不快なものだと思って育つのとでは、全く違う人生がやってくるはずです。
大人になってもコミュニケーションが苦手だと感じるなら、それは子供の時の体験にまだ支配されているということです。
それは能力の問題ではなく、過去の体験を握りしめて防衛し続けているからだと理解することです。
そして癒しを進めていく中で、人との対等な関わり方を覚えていくことで、コミュニケーションは楽しいものだということに気づくはずですね。