私たちは何も持たずにただ生まれてきます。しかも圧倒的な無意識状態で。無意識というのは、意識が眠った状態という意味です。
生まれてからしばらくすると、ハートが機能するようになるのです。大切な感覚を持たなければならないからです。
閉じていたハートが開くようになるということです。その後に、今度はマインドが作り出されるのです。
マインドとは考えるというプロセスの集まりです。そしてそのうちには、自我が機能するようになるのです。
自我の発達と連動して、意識の一部が覚醒していきます。つまり、自覚というものができるということ。ここで初めて人間が動物と一線を画することになるのです。
ハートとマインドがバランスよく働いているうちはいいのですが、敏感気質と劣悪な環境が揃うと、マインドが強く防衛を始めることで異常に活性化するのです。
そうなると、マインドが一方的に優位になって、ハートは閉じ気味になってしまうのです。ハートが開いていると防衛できないからです。
ここまできたときに、何かが間違っていると気づいた人から順番に、元来た道を帰ろうとするようになるのです。それが癒していくということです。
防衛を小さくしてマインドの働きを非活性化するとともに、閉じ気味になっていたハートを開いていく作業が起こるのです。
その上で、ここからは来た道を戻るだけではなく、意識的に生きる練習を継続することで、無意識に光が当たるようになるのです。
最終的には、意識が完全に覚醒して自分の本質に戻るということです。それは目的地などではなく、ただそれと気づくことでしかないのですね。