鬱は心のストライキ

鬱といっても人によって、それぞれ少しずつ違いがあります。ただ、鬱々とした状態ではあるけれど、ごく普通の生活が営めるレベルのものから、身体が動かなくてやるべきことが何もできないようなものまで様々です。

しかし、それぞれ違いはあれど、鬱症状の根源とは今までのやり方、生き方のままでは自分がもたないので何とかして欲しいという訴えであると思って間違いありません。

それも切羽詰まった主張であるため、それはストライキを起こす労組のようなものだと言えるわけです。このままでは自分は困ったことになってしまう、もう我慢も限界だ。

だから、ストライキを起こして自分の主張を通してもらおうとするのです。ストライキと表現したのは、ごく普通にできることを何もしないようにさせられてしまうからです。

身体が動かない、朝起きれない、出かけられない、気力がまったく出ない、これは身体を使ったある種のストライキなわけですね。

困るのは、今まで普通に生きてきた自分なわけです。このストライキは軽いものですと、ある一定期間が過ぎるころには元に戻るのです。

しかし、度重なるストライキにも関わらず、自分の生き方を全く変えようとしない場合には、相当大きなダメージを自分に与える必要があるとして激しいストライキに突入してしまいます。

自分がストライキに遭遇していると自覚できるような場合には、心からそのことを受け止めてあげることです。そうして、ストライキを起こさざるを得なかった自分の苦しみを認めてあげることです。

ストライキを起こさなければ自分が破綻してしまうと思ったからこその最終手段としてのストライキだということを分かってあげることです。

ストライキなど起こす自分は本当に怠け者だとして否定的にとらえてしまうと、人生は何も変わらずにこれまで以上にストライキが続くことになってしまいます。

ストライキは自分を見つめなおす絶好のチャンスが到来したということなのですから、自分はどんな無理を自分にさせてきたのか、どれほどの自己犠牲を強いてきたのか、そういうことをしっかりと検証することです。

自分のこれまでの正しさ、信念、信条、生き方などを見直して自己犠牲を強いない毎日を送れるようになれば、自然と鬱症状は消えていってしまうのです。