「非二元」の本を読んで…

珍しく、馴染のない人物の本を読んでみたのです。今月出たばかりのホヤホヤの本なのですが、その題名がちょっと魅力的だったものですから、ついふらふらと買ってしまいました。

その名も、『すでに目覚めている』 by ネイサン・ギル っていうのです。きっとその分野ではそれなりに名の通ったお人なのでしょうね。私はまったく知りませんでしたが…。

で、単刀直入に感想を述べさせてもらうと、ああこれって勘違いしてしまう人が沢山いるんだろうなあということです。私自身の中にも、その勘違い野郎がいるから分かるのです。

このネイサン・ギルという人がどんな人物なのかは知りませんが、とにかく理路整然と真理について言っているのです。勿論彼の言葉の中で間違っている箇所はありません。

すべてが正しいのですが、それがあまりにもスッキリし過ぎていて、どうも真理の一面だけを表現しているように思えてならないのです。

以前ラメッシという人の本を読んで、すごく気持ちがスッキリしたことがあったのですが、何となく彼と同じ匂いを感じてしまうのは私だけでしょうか?

このネイサン・ギルという人の言葉には、真理が持っているその独特の矛盾性や非論理性などを感じることができないのです。間違ってはいないけれど、胡散臭い感じを拭いきれないのです。

方便らしきものが一切ないのです。さらっと読んでつるっと理解してしまうと、後はもう何もないのです。私自身の中で、彼が表現している『「私」が見抜かれる』ということが起きたりしているので、すごくタイムリーなのですけどね。

あとちょっと数十ページだけ読み残しがあるのですが、読み終えたところでこの印象はきっと変わらないでしょう。ただ人によっては、読んでいくらか気持ちが楽になることもあるでしょうね。

でも弊害の方が多いかもしれませんよ。それはですね、真理を分かってしまったと勘違いしてしまう可能性があるからです。この手の本が流行りだとすると、要注意です!

勿論、私の個人的な感想に過ぎないということをお忘れなく。