「私」という思考による緊張

人前に出るとそれだけですごく緊張してしまうという人もいますね。あがり症と言われることもあるでしょうね。その緊張とは一体どこからくるのでしょうか?

ずばり、緊張とは思考からやってくるのです。逆に言えば、思考は緊張を生み出すということです。それも必ずです。どんな静かな思考であろうとも、それに見合った緊張を発生させるのです。

だから緊張しがちな人というのは、それだけ強い思考がマインドの中を巡っているということになるのです。適度な緊張は問題がないばかりか、ときには必要となることだってありますね。

けれども、緊張がある一定以上になったり、緊張を緩めようとしているのにそれができないということこそが、問題になるわけです。

その緊張を緩める唯一の方法は、その元となる思考を緩めるということです。ゆったりくつろいでいることをイメージすれば、思考も緩んでいるということがすぐに分かるというものです。

思考が自分の意に反して常に活発になるとしたら、それは強い自己防衛がそこにあるからなのです。つまり、自分を守ろうとして思考が活動し、その結果として緊張が起こるということです。

静かに瞑想をする練習をしていくことで、思考が緩むようになっていくはずです。その結果として、緊張も小さくなっていくのです。

その際、瞑想している「私」がいるなら、緊張の緩みはある程度のところまででストップしてしまいます。なぜなら、「私」という思考がそこに残っているからです。

「私」という思考が在る限りは、その思考による緊張が生み出され続けるからです。私たちはいつだって、「私」がここにいると感じながら生活していますね。その分だけの緊張は、決してなくならないということです。

本当に身体の芯からリラックスできるようにするには、「私」という思考さえも落ちて行くことが必要となるのです。何かの加減によって、あなたの中の「私」が落ちることがあれば、それまで体験したことのない安らぎを感じるでしょう。

一度でもその体験をしたなら、それを忘れることはできなくなるはずです。