マインドが感覚を捻じ曲げる

私たち人間にとって、感覚というのはとても大切なものですね。AI が進化して、難問を解くことができるようになっても、人間のような快不快や痛みの感覚を持つようになるのかは疑問です。

そのくらい、感覚は自分という存在の根っこにあるものです。爽やかなそよ風に吹かれて気持ちいいとか、美味しいものを頬張ってニコニコしたり。

感覚は生まれながらのもの、生物として自然に備わった根源的なものだと感じているはずですね。

けれども、元々備わっている感覚というのはそのままではありません。マインドの成長とともに、どんどん変化していくのです。

というよりも、もっとはっきり言えば、マインドの中に作られた強い思い込みが感覚を歪めていくということです。

幼いときには、ミミズを指でつまむことなど何でもなかったはずが、大人になったら触れることすらできなくなったという人は沢山いるはずです。

自分の身体が嫌いだったりして、この身体から抜け出したいという思い込みが強くなると、離人症といって自分の身体に対する違和感を覚える場合もあるのです。

あるいは、自分の身体に付いている手足に対して異物感が強過ぎるあまりに、闇のルートを使って実際に切断してしまう人もいるくらいです。

それほどマインドが作り出した感覚というのは凄まじいものなのです。どれほど私たちがマインドに支配されているか分かりますね。

癒しを進めていって、思い込みが小さくなるならそれだけ感覚への歪みも小さくなっていくはずです。

ただし、本人がそれを望まない場合がほとんどなので、感覚の歪みは小さくなったとしても、ある程度は一生残ることになるかもしれません。

大切なことは、自分も含めて人間がどんな感覚を持っていようと、それがすべてマインドによるものだということを深く理解することです。

そうすれば、誰がどんな感覚で生きていようと、それを否定する必要はまったくないのだと分かるのですから。