自我がなくなれば自由になる

30歳になろうとする頃、初めての転職をしたのですが、そのタイミングでタバコをやめようと決意したのです。

その時の不安感を今でも覚えています。吸いたいと思ったときに、吸えなくなるのだと思うと、なんだか物凄く心許なく感じたのです。

頼みの綱がなくなってしまうような、その喪失感をこれからずっと味わっていかなければならないのかという恐れです。

ところが、いざやめてみるとそんな不安は全部吹き飛びました。当たり前ですね、あの不安感は依存心からくるものだったので、その依存がなくなると同時に不安も消えるわけです。

もう自分はタバコを必要としないという清々しさ、自由を手にした感じがしたのです。それまであまり体験したことのない感覚でした。

つまり、依存心とか執着心というのは自由を奪われた状態を作っていたのです。だから依存や執着から解放されると、一緒に自由がついてくるのです。

子供の頃に親がいなくなったら生きていけないと感じていたのですが、これも非常に不自由でしたね。

誰かに愛されたい、あるいは大事にして欲しいと願う気持ちが強ければ、それも不自由な人生になってしまうでしょう。

依存や執着を使って自分には◯◯が必要だと感じさせているのは自我なのです。だから自我が小さくなれば、必要とするものが少なくなっていくのです。

あなたの自我が小さくなって、依存と執着がなくなればなくなるほど、あなたは自由のフレーバーを感じることができるようになるでしょうね。