セラピストの仕事というのは、言ってしまえば意外とシンプルで、それはクライアントさんがこれまで培ってきた考え方や生き方をできるだけ捨てるように提案することなのです。
たとえば義理人情を大切にする生き方であれば、それを使わずに生きることを実践してみて下さいとなるのです。
あるいは、正しいこと、ちゃんとしていること、そうしたことを拠り所にしているなら、正しさを真ん中から端っこへと追いやることをお伝えします。
いい人でありたいとか、常識人として真っ当な人生を生きたいと願っているなら、もっと正直に生きるようにとお願いします。
人や社会の役に立つ人物になりたいと願っているなら、それよりも自分がどうしたいかを優先する生き方を選んで下さいと言うのです。
自分への期待値が高いのであれば、自分に対して期待することを忘れてくださいとなるのです。
けれどもこれまで培ってきたものが、その人の血となり肉となってきたので、言われたからといってそう簡単にはうまくはいきません。
多くのクライアントさんは何度も抵抗しながら、少しずつ気がついたら生き方が変化していたという道を辿るのです。
私自身もそういう姿を何度も見せられて勇気をもらったりします。そういう意味ではこの仕事はとてもお得ですね。