伝えるということ

人は自分が信じていることを知らず知らず相手に伝えながら生きています。それは拡大すれば教えるということにもなります。

例えば、親が子供に対して、特別何も言葉で伝えてないとしても、仕事は辛いとか、人生に不満があるとか、これはこうあるべきだとの信念などは、知らぬうちに子供に伝播してしまいます。

友人に対して、はっきり明言しなくても自分が日頃思っていることや信じていることなどは何となく伝わっているものですね。

そして実は明示的に伝える、あるいは教えるということは、知らぬうちにそうしている時以上に自分の信じていることを更に固く自分自身で信じるようになるのです。

このことはあまり知られていないかもしれません。私はこの仕事をするようになってすぐの頃、ふとした時に、「自分の身に起こることは自分が起こしている」という考えが浮かんできました。

そしてそのことを心の中に置いて、いろいろ思考してるうちに、その考え方がとても気に入ってきて、次第に信念に変わってきました。

そして、気が付くとクライアントさんとのセッションの時に、この考え方をお伝えするようになっていました。伝えることを繰り返していくうちに、出来上がったばかりの信念はどんどん確信へと変化していきました。

伝えることは自分の信念をより確固としたものにしてくれるということです。しかし、まだその先があります。それは、伝えたことが相手の心の中でもそれを認めるようになると、それを互いに分かち合うという状態になりますね。

そうなると、確固としたものは更に互いの心の中で強められて、一般的な信念以上のものに成長してくれます。

ただし、互いの心で分かち合えるものというのは、愛に基づくものでしかあり得ません。愛を含まない思考は決して分かち合うことができません。

今、私は自分たちの本質は身体ではなく、スピリットなのだということをできるだけ多くの人たちと分かち合いたいと思っています。それがすべての人の心から恐怖や怒りを消滅させることになるからです。