過去世の記憶

長い間催眠療法をやっていると、沢山のクライアントさんが様々な内容の過去の記憶を見せてくれます。一般的には今回生まれてからの、特に幼い頃の記憶を再現してもらいます。

しかし、時々知らず知らずのうちに過去世と言われる別の人生の記憶が蘇ってくることもあります。場合によっては、過去世を思い出すことを目的としてセッションを受けてくださるケースもあります。

どちらにしても、過去世とか前世と言われるその人の別の人生の記憶というのは、常識的に考えると何とも不思議なものですね。

いわゆる輪廻という生まれ変わりの有無について、それを否定することもその実在を証明することもできません。

私の個人的な気持ちとしては、この現実が幻想であるというコースの教えのことを思い巡らしたときに、輪廻についても同様のレベルで捉えることにしています。

つまり、私達が通常把握できる事実とか真実というレベルというものは、それを追求していくことには意味がないという考え方です。

言葉を変えて言えば、真偽のほどはどちらでも構わないということになります。これはどちらかに答えを出すことから逃げているということではありません。

所詮幻想の中でのことですので、その中での真偽についての議論そのものに意味がないという考え方です。

個人的には過去世の記憶を使って、本人の心が癒されるのであればそれはすばらしいことだと思うのです。それ以上でもそれ以下でもありません。

経験上、本人が思い出す過去世の記憶には、その時の本人にとって何らかの気づきを得るための大切なヒントを与えてくれるものではないかと思っています。

それに過去世には何かファンタジーのようなものを感じることもできますね。そして、思い出したことを否定せずにそのままを受け入れるほうが心が豊かにもなるのではないかと思っています。