原発について その5

人類の歴史がどれくらいの長さなのかは、詳しく知りませんが、それは地球の歴史からしたら本当にわずかなものだということは分かります。

そのチリのようなわずかな人類の歴史の中でも、ここ50年くらいのことを特定したら、もうわずか過ぎて見えないくらいかもしれません。

ところが、そのごくごくほんの短期間の間に、未だかつてやったことのないようなことをしてしまったわけです。それはもう取り返しのつかないこと。

それが原発ですね。何度も書いていることですが、たとえ戦争で大量虐殺があったとしても、大震災や津波で多くの大切な命が犠牲になったとしても、100年したら復興できるはずです。

でも原発だけはどうしようもありません。原発そのものがどうこうというよりも、発電のために核融合した結果、後に残る使用済み核廃棄物は人類の手に余るものです。

地中深く穴を掘って、そこに埋めてしまおうというのが現在の案らしいですが、その膨大な量に膨れ上がった危険きわまりない廃棄物を一体どこに埋めるのか。

実はその危険性がなくなるまでには、なんと100万年かかるそうです。これは人類の歴史よりもはるかに長い時間が必要になってしまうということですね。

今の科学では無毒化することは不可能ということらしいですから、絶望せざるを得ません。今までに、何度となく高度な文明が栄えては滅びるということが地球上で起きてきたらしいですが、今度は核の問題でそうなるのかもしれません。

その先頭をひた走っているのが日本も含めた原発大国の国々ということになります。日本は更に地震大国でもあるので、廃棄物を安全に貯蔵し続けることができるという保障がありません。

今となっては、なぜこんなことになってしまったのか、いくら憂いても如何ともしがたいというのが本当のところですね。

それでも、これが起こるべくして起こることになっていたことだと考えるしかありません。そういう筋書きだったということなんでしょう。

こうしたことを、暇に任せてつらつらと考えていたら、残りの人生は、できるだけ何かのため、誰かのために生きようという思いがやってきました。

そう思うと、原発も私にとっては無駄なことではなかったのかもしれません。