呼吸の不思議

みなさんは、自分の呼吸に意識を向けることはあるでしょうか?自分にとって、子供のころからずっと呼吸というのは不思議なものでした。小さい頃は、呼吸を止めていることが一人遊びと化していました。

自分では自覚のないままに、息を吐いた状態のままでしばらくいたあと、苦しくなっていることに気づいて息を吸うということもよくありましたし、これは実は今でも時々経験します。

高校生くらいになると、授業中に一人こっそりと呼吸を止めて、あまりに頑張り過ぎて手足が痺れてくると同時に脱力してくるところまでやったりしていたのを覚えています。

最近、毎日のように高温のサウナに入るのですが、温度計によると気温100℃の中でじっとしているわけですが、湿度が抑えられているからこそ肺は火傷をせずにいられるのですね。

そうした高温の空気を繰り返し吸っているからなのか、常温の空気を吸っているときに、なんだかとても空気がおいしい!という感覚がいつもしているのです。

空気の澄んだ大自然の中に行くと、人は誰でも深呼吸したくなりますね。空気がおいしい!という表現をするのは、まさにそういうときです。

でも自分は、わざわざ時間をかけて大自然の中へと出かけなくても、擬似的な「空気がおいしい」感を味わえているのが嬉しいです。

息を吸うと、身体に活力がみなぎってくると同時に、それは物語の中での活躍と結び付けられますし、息を吐いていくと何となく時間の外へとはずれる感じがします。

つまり、一呼吸するたびに物語の内と外を交互に体験しているのではないかと思っているのは私だけでしょうか?

呼吸とは本当に不思議なものです。もしも、息を吐いた状態でずっといられたら、きっとすぐに覚醒してしまうのではないかと密かに思っています。