境界例について

かつて、精神的な病というのは大きく二種類に分けられていました。一つは、神経症と言われるものであり、もう一つはいわゆる精神病といわれるものです。

それが、数十年前くらいからそのどちらでもない、あるいはその両者のちょうど中間的な精神疾患が存在するということが分かってきたのです。

それは、神経症と精神病の境界に位置する事例ということで、境界例と言われるようになりました(現在では、○○パーソナリティ障害と呼ばれています)。なぜそれまで境界例ははっきりとは知られずにいたのでしょうか?

それは、神経症の場合は本人に自覚があるため、本人が病院を訪れるのです。精神病は周りの人たちから明確に認識できるほど症状が分かりやすいため、周りから病院に連れて行かれることができたのです。

けれども、境界例の場合は本人の自覚がないばかりでなく、他人からもその異常さが発見されにくいという特徴があるのです。

あまり親密なお付き合いをしていない他人からは、ちょっと変わった人、困った人というくらいに捉えられることも多いのです。

本当に気づけるのは身近にいる家族か、深く付き合った人だけなのです。家族もそれを病気とは見なさずに、そういう性格だから仕方ないというように扱っていたのです。

だから長い間、医療の対象として発見されずに来てしまったわけです。でも境界例の人は予想をはるかに越えるくらいに沢山いらっしゃることが分かっています。

今だに病院の診察を受けずにいる境界例の人たちは、きっと大勢いらっしゃるに違いありません。そしてまた、残念なことに境界例はよくなるのが難しいと言われています。

勿論境界例も多岐に渡っているために、単純に一括りにできるようなものではありません。神経症に近い場合もあれば、統合失調症のような精神病に近いこともあります。

もしも家族の中にそれに該当するような症状を持った方がいるなら、見て見ぬ振りなどできないはずです。

家族の誰かはそこから逃げようとするでしょうし、また誰かが犠牲になってしまうこともあるかもしれません。いずれにしても、簡単な話しではないことは確かです。

なぜなら、境界例の人たちの特徴として、自分以外の誰かを巻き込む傾向が強いのです。家族の誰も犠牲にならないようにしながら、恐怖に負けないように対応することができるといいと思いますね。