究極のしがみつき

昨日のブログでは、「しがみつき」について書きました。今日は、多くのしがみつきの中でも根本的で、誰もが共通してしがみついているものについて書いてみます。

そのしがみつきとは一体なんだと思いますか?それは、自分自身へのしがみつきなのです。他のどんなしがみつきであろうと、自分自身へのしがみつきがその原因となっているのです。

あなたは、この究極のしがみつきに気づいているでしょうか?セッションに来られるクライアントさんの多くは、自分を癒したいとは思っているものの、自分へのしがみつきには気づかないでいるのです。

だからこそ、困った問題だけが改善されてしまえばそれでいいと思い込んでいるのです。たとえば過食の問題を抱えている人は、それが起きなくなればいいと思っています。

人間関係がうまく築けないと悩んでいる人は、そこが改善されればいいと思っているのですが、そうした問題の原因となる部分にメスを入れられることは望んでいないのです。

その原因とは、その本人自身にあるからです。自分はそのまま手つかずの状態で隔離しておいて、問題だけを治してもらえればいいと願っているのです。

たとえ自分の性格を治したいと訴えてくるクライアントさんであっても、心の奥底には自分のままでいたいと願っているのですから、驚くしかありませんね。

癒しがとんとん拍子で進んで行かないとしたら、その理由は自分自身でいることへのしがみつきがあるからなのです。あなたは決して、あなたの根っこを変えたいなどとは思っていないのです。

あなたがしがみついている自分自身とは、具体的には何でしょうか?それは、これまでにあなたが培ってきた様々な価値観なり正しさなり、主義や信条などです。

あるいは、溜め込んだ体験や知識なども含まれるでしょうね。つまり、あなたの人格を形作っているあらゆる要素を決して失くしたくないのです。

けれども、そうしたものの一切合財があなたの苦しみの原因を作り続けているという事実に気づき、それらを潔く手放していくことができるなら、エゴは自動的に落ちていくことになるはずです。

あなたがしがみついているあなたとは、本当はエゴであり、それは実在しない架空の作り物なのです。そこを真に見抜く(光を当てる)ことで、エゴという影は消滅するのでしょうね。