比較することで思考は生きる

私たちの思考というのは、あるものとあるものを分けることによって、成り立っているのです。

そして、その分けることのベースにあるのが、比較するということ。つまり、思考とは世の中にあるあらゆるものを分割し、それぞれを比較することによって生き続けることができるというわけです。

だから、思考の中にあって比較をせずにいるということは、ほとんど不可能なことだということです。そのくせ、私たちは比較をすれば、必ずそこには苦悩があるということも経験上知っています。

なにごとも比較せずにいられるなら、一体どれほど気持ちを穏やかな状態のままにしていられることか。残念ながら、比較は思考の中にいる人にとっての宿命のようなものだということですね。

他人に比較されて気持ちいいということもないし、自分でも誰かと自分を比較して、暗い気持ちになっている人は沢山いるはずです。

残る道は、何とかして思考を停止させて、比較から逃れるしかありませんが、瞑想が苦手な人にとっては、それはそれで難しいことですね。

ではどうしたらいいのか?残る道はただ一つ、それはどうしても比較を止められないでいる自分を、そのあるがままを見守ってあげることです。

そんな自分を受け入れてあげることができたときに、逆説的ですが、自然と比較が落ちていくのです。