成長は自然に任せる

「何もせず、静かに坐っていると、春が来て、草はひとりでに生える」という禅の言葉があるように、私たち人間にもそれは当てはまります。

つまりあれこれ画策せずとも、私たちは年齢と共に成長していくのです。それが自然の摂理ですね。

けれども、様々な理由からその正常な成長を極端に早めようとしたり、逆に成長を止めようとするマインドの働きもあるのです。その根っこにあるのは、自己防衛なのですが…。

簡単に言えば、前者の場合は、早く大人になろうとするということ。何もできない未熟で惨めな自分から早く脱出したいという思いから、その年齢に不相応な努力や無理をして、立派な大人になろうとするのです。

表面的には成功することもあるのですが、その無理を強いたしわ寄せが必ず後からやってきて、本人を苦しめることになるのです。

それはまだ幼い頃のその年齢に相応しい無邪気な生き方が充分にできなかったために、そのエネルギーが残ってしまい、大人として生きている一方で、子供じみた部分がいつまでも残ったりするのです。

結果として、本人の理性的な部分は苦しむことになるはずですね。一方で後者の場合、つまりいつまでも子供でいようとする場合は、勝手に成長していってしまう自分を恨めしく感じてしまうのです。

そして、自己嫌悪感や罪悪感を持ってしまうこともあるかもしれません。この場合も、ある面ではそれが成功して、いつまでも子供っぽさが残り、社会人として不適格な人物になってしまうかもしれません。

いずれにせよ、自分の成長について恣意的になってはならないということ。自然に任せておけばいいのです。親が子供の成長をどうこうしようとしてしまう場合もあるかもしれません。

それも同様の結果が待っていることになるはずです。私たち自身が自然の一部であることを思い出して、常に自然であることを心がけることが大切なのでしょうね。