長いこと様々なクライアントさんとのセッションを経験してくると、癒されにくい人のパターンというのが見えてきます。
そういう人は、大抵自分に都合のいいようにセッションをして欲しいと期待しているものです。
自分のこれまでの生き方、考え方、主義主張のようなものはそのまま温存しておいて、問題だけを治して欲しいと願っているのです。
けれども、今現在の自分を構成しているのはこれまでの生き方の積み重ねなのです。勝手に、あるいは偶然今の生きづらさがやってきたわけではありません。
自分を変えたくはない、辛いところを見る気はしない。それがあまりにも強すぎると、全身を硬い鎧で覆っているように感じてしまうのです。
それも無理ないのは承知の上で、セラピストは嫌われるのを覚悟の上で、少しずつ核心の部分へと導くことを試してみるのです。
子供の頃にどうやって生き抜いてこられたのか分からないような人でも、いつかは防衛が緩んで頑なさが和らいでくるときがやって来ます。
だから自分のペースで、ゆっくりじっくり時間をかけて無理せずにやってくるチャンスを待てばいいのです。
全体性を信頼するとは、そういうことなのですね。