自我は生と噛み合っていない

私たちが大切に思っている自分の人生というのは、本当のところマインド(思考)が作り出したただの物語なのです。

自我にとっては、人生こそがリアルなものだと感じているのです。だから人生がどんなものになっているのかが重大事項なのですね。

誰かの人生よりも自分の人生が劣っていると感じると不幸になるし、その逆であれば幸福になるというわけです。

結局のところ幸不幸というのも、人生という物語の一部であるに過ぎないということになるのです。

けれどもマインドを静かにさせて、ゆったりくつろいだ状態でいると、人生という作り物よりも実在する生に意識が向くようになるのです。

その時、生と同調しているという実感がやってきてくれます。人生という虚構ではなく、リアルな生と噛み合っているという感覚。

これは自我には決して理解することができないのでしょう。なぜなら、自我そのものが物語の一部だからですね。

生には過去も未来もありません。今この瞬間がすべてであって、それと同調することで自分の本質を感じることができるのです。