私たちの行動で一つはっきりしていることがあるのですが、それはゴミだなと思ったものは捨てるということです。
ゴミというのは、本人にとって用無しになってしまったもの。持っている如何なる意味もないと感じたもののことです。
だからすぐにでもゴミ箱に捨てたくなるのです。ところが、私たちの周りにはゴミだと思われるものをずっと持ち続けている人がたくさんいるのです。
たとえば、誰もがあんなクズ男と言いたくなるような、しょうもない男性といつまでもぐずぐずした関係をやめられない女性がいますね。
あるいは、時々テレビ番組などで紹介される、いわゆるゴミ屋敷と言われるような家に住んでいる人がいます。
彼らは悪臭を放つ山盛りのゴミの中に暮らしているのです。綺麗さっぱり掃除したら、どれほど気持ちがいいだろうと想像してしまいます。
なぜこうしたことが起きるのかというと、本人は決してゴミだとは認識していないからなのです。
癒しというのは、これまでに培ってきたあらゆる教えやルール、そう言ったものを捨てていく作業なのですが、これがすごく難しいのです。
セラピストの目からすると、親や社会から押し付けられたそうした教えのほとんどは、我々を幸福にはしてくれません。
だからそのほとんどはガラクタなのです。でも現実はどうかというと、本当に多くの人がなかなか過去培ってきたものを手放すことができないでいるのです。
その理由は、本人にとっては心のどこかで価値あるものだと思っていたり、手放すのが怖いと思っていたりするからです。
自分が満ち足りた人生を生きる上で、障害となるあらゆるものをゴミだと認識することこそが、とても大切なことだと分かります。
その深い理解に至ることさえできれば、後は自動的に不要なものは落ちていってくれるのです。自分で捨てる必要すらないのですね。