万年欠乏症

自我というのは万年欠乏症なのです。自我と欲望がセットなのはそのためです。つまりは、何かが足りない、欠落しているという感覚が拭えないでいるのです。

それが自我の本性です。なぜそうなのかというと、私たちの本質である全体性からみれば、個人として在ることは全体性から見放された孤児のようなものだからです。

その欠乏感とは、全体性へと戻りたい、それとまた元通りに繋がりたいという感覚に過ぎないのです。

そして実は私たちは今この瞬間も全体から乖離したことなど一度もないのですが、自我として生きることでそのことを忘れてしまったのです。

その結果、果てしなく深い個人であるという思い込みから目覚めようとすることなく、そこからやってくる欲望をただ満たそうとするようになったのです。

これがどれほどの見当違いなのか、冷静にみればわかるはず。この見当違いの営みのことを人生というのですが、真実に気づくまではエンドレスになるのも頷けますね。

自我の欲望はあなたに時空の広がりをもたらします。もちろん全てイメージに過ぎないのですが。

欲望があればそれを満たそうとして、思考の働きによって過去と未来が生まれ、そのプロセス全体が人生となるのです。

あなたが自我を傍に置いて、全体性に気付いたなら、求め得るもの以上のものが手に入ったことになり、全ての欲望は消滅していくでしょうね。