セッション中に時として、人は覚醒してしまったらどうなるのですか?という質問をいただくことがあります。
この疑問はきっと多くの人の中にもぼんやりとあるのだろうと思います。人生というのは、意識せずとも自分ありきでやってきたからです。
覚醒して自分という個人がいなくなった状態など、とてもじゃないけれど想像することも難しいわけです。
私自身のマインドの中にもしっかりとした自我が健在なので、覚醒したらこうなりますということをスラスラお話しすることはできません。
ただ勝手に類推することは可能です。たとえば心理的な自己防衛は消えてしまうでしょうね。なぜなら防衛する必要のある自分がいないからです。
じゃあ毎日の生活はどうなるのでしょうか?全く変化しないかもしれないし、変わってしまうこともあるかもしれません。
死を恐れることもなくなります。死を恐れていた自分が消えてしまうからです。このように考えていけば、なんとなく理解できそうです。
マインドは必要最低レベルの機能を残して、小さくなってしまうだろうことも想像できます。
罪悪感、嫉妬心、競争心、向上心、絶望感、焦燥感、こう言ったあらゆる自我が持っていた感覚も自我と一緒に消えていくはずです。
自我とともに生きていた頃の記憶は残っていますので、かつて自分と呼んでいた奴がいたことを忘れることはないはずです。
覚醒は自我の死を意味することなので、それを望む自我はいないはずですが、不思議なことにそれでも覚醒を強く望むこともあるのですね。