確か小学生の頃だったと思うのですが、夕食の時に正面に座っていた父親に対して、「僕は何かに生かされている気がする」と言ったことがありました。
父親は変なことを言う子だなといった感じで、そのことについてはそれ以上触れようとはしませんでした。
私は子供なのに、無邪気にそれを言った訳ではなくて、きっと父親にはこの意味が分からないだろうことを見越して、わざと言ってみたのです。
ホント、可愛くない子供ですよね。でも今になってみると、その頃からきっと何かを感じてはいたのだと思うのです。
何かが勝手に動かしている、自動で物事が起こりつつあるという感覚です。もちろんそのように言語化できていた訳ではありません。
大人になってこの世界には誰もいないということ知り、だからこそ私たちには自由意志というものはないということも知りました。
そういった情報をもとに、自分自身に対してそこを見つめてみたところ、どうも本当にそのような感覚があるのです。
私たちの中心には何もありません。空っぽなのです。何か大切なものを失ったりして心の中が空っぽだと感じることがあるかもしれません。
その感覚は本物なのです。普段はそう感じないようにさまざまな工夫をして、その空虚さを紛らして生きているだけなのです。
もしもあなたが自分の内側は空っぽだと感じているなら、それは何も悪いことではなく、それが真実なのです。
それが辛すぎるなら気晴らしでも何でもしてください。けれども、無理にそれを何とかしようとせずにいられるなら、そのままにしておくことです。
真実を見ているだけなのですから。誰かから見られる対象としての自分などいないし、防衛しなければいけない自分もいないのです。
そのことは物凄く気持ちを楽にさせてくれるはずですね。