正確にはマインドの中にある自我の仕組みこそが、この世界のあらゆる苦しみを生み出す張本人だということです。
これは何かの例え話しでもなければ、方便として言っているのでもありません。本当に自我がなければ苦悩はないのです。
自我の特徴は、とにかく自分自身を正直な目で見るのが苦手ということです。だからいつも外側に向けて気を張って生きているのです。
そのために、苦しみの原因は常に外側にあると信じているのです。外側の問題を解決すれば、苦しみはなくなると思い込んでいるのですね。
だからこれが苦しみの原因だと思うものがなくなった時、一過性ではあるけれど確かに苦しみは無くなるのですが、またいつの間にか苦しみはやってくるのです。
それこそが、苦しみの原因は外側にはなく、内側のマインド(自我)にあったという証拠です。
この「私」こそが、あらゆる苦しみの大元だったと気づくことです。「私」という自我がある限りは、外側がどうなろうとも苦しみはもれなく付いてくるのです。
さあじゃあどうすればいいのか?まずは、苦しみの原因が「私」にあると理解した上で、だからと言って「私」を敵対視する必要はないと知ることです。
なぜなら、自我の仕組みがそのように備わっているのは、「私」のせいではないからです。それは初めからそのようになっているのです。
あなたがするべきことは、ただあなたの中にいる「私」を見守る側になるように練習することです。
見守る=距離ができる、ということで、自我の煩悩愚息の凡夫さ加減が滑稽に思えてくるのです。
もしも幸運が巡ってきたら、見守る側のあなたは生まれることも死ぬこともない、真の自己だと気づくことになるでしょうね。