この現象界は夢のようなもの

真の意味での全体というのは、個別のものの集まりではありません。これが分かると、いつもここで言っている全体性のことが分かると思います。

全体性とは個別性が消えた世界のことを指すのです。だから「無」と言ったり「空」と呼んだりします。

つまり、個別性が無いということです。無いのですが、そこからはいつでも個別性が現象として現れる可能性があるのです。

そういう意味では、全体性と個別性を非二元と二元と言い換えてもいいということが分かりますね。

ただしそれは本質的なことではなくて、私たちの思考によってそんなふうに思えるということです。

この現象界を二元性と捉えるのは、思考によるものだからです。そしてその思考自体も、個別にあるものです。

全体性や非二元の世界とともにあるのは、あなたの意識のみです。だから意識だけが「無」とか「空」と呼べるものでもあるのですね。

こんなことをぼんやり感じていると、いかにこの現象界が夢のようなものだということが分かります。