私たちは、自分を守る必要がないと分かっているとき、心の奥に隠し持っていた愛が表面に上がってきます。
無邪気な幼い子供を見ると、一般的にはとても可愛いなとか、愛らしいと感じることができるのは、その子供に攻撃されて傷つけられることはないと知っているからです。
力の弱い小動物や、おとなしい犬や猫を愛くるしいと感じるのも、まったく同じ原理が働いているからです。
自分の身の危険についてケアする必要がないと感じてさえいれば、普段隠れていた愛が一瞬にしてやってきてくれるおかげで、対象物に対する愛を感じるのです。
このことは、理性ではそう簡単に変えることができません。たとえば、幼い頃から周りにいる親などの大人たちが、ゴキブリを怖がっている姿を見せつけられていたとします。
つまり、親が必死になって防衛している姿を見ていると、ゴキブリには傷つけられる恐れがあるのだと判断してしまうのです。
そうなると、どれほどそれが小さな動物であろうとも、身近にそれがやってきたときに防衛システムが働きだすので、愛しいとは感じられないのです。
私たちの本質である純粋な意識に注意を向けていると、それが傷つくなどと言うことは決してないということが分かるために、自然と自己防衛が小さくなります。
その結果、あなたの心に待機していた愛が発動するようになり、自分のことも周りの人やあらゆるものに愛しさを感じるようになるのです。
愛は必ず無防備な心の状態において、静かにやってきてくれるのです。決して、理性や努力でコントロールできるものではないのですね。