シュレディンガーの猫

量子力学における確率の解釈というのは、私たちが通常イメージする確率とは大きく異なるものです。

「シュレディンガーの猫」という架空の実験があるのですが、箱の中に放射性物質と生きた猫を入れて、その放射性物質がアルファ崩壊した分だけ猫が死ぬというしかけを作っておくのです。

そして、その放射性物質が一時間の間にアルファ崩壊する確率が50%だとすると、猫は一時間後に50%の確率で生きており、また50%の確率で死んでいるというものです。

私たちの思考によると、蓋を開けずとも猫は生きているか死んでいるかのどちらかの状態に違いないと結論付けてしまいます。

けれども、量子力学によると、蓋を開けて観測するまでは生きている状態と死んでいる状態が同時に50%の確率で起きているとするのです。

言い換えれば、その一匹の猫ちゃんは生きているか死んでいるか不定だということです。猫でなくても、たとえそれが人間であっても同じなのです。

そして、一度蓋を開けて箱の中がどうなっているかを観測する瞬間に、生きているか死んでいるかどちらかの状態へと収束するのです。

それと同様にして、私たちはこの地球上で70億分の1の確率で同時に存在していると捉えることもできます。

そしてその上で、実際に知覚をもって観察される瞬間に、70億分の1の確率でどれかの肉体とリンクした誰かになるということです。

それが、たまたまあなたであり、私でもあるのですね。