怒りをあるがままに感じる

動物と違って、私たち人間は怒りがやってくるときというのは、何らかの物語の中にいるのです。

動物は自我を持っていないので、どんな物語も持ってはいません。ただ、瞬間瞬間に起きることに反応しているに過ぎません。

ところが、人間だけは必ずまず物語があって、その中で理不尽なことが起きたり、自分が惨めだと感じると怒りが出現して、その惨めさを蓋しようとするのです。

だから怒りを感じるためには、物語を作っている思考が必要ということになるのですね。とはいうものの、やってきた怒りそのものは思考ではありません。

それは感情であり、ハートで感じるものなのです。だから、怒りを額面通り、そのままに感じることができるなら、思考は自然と停止してしまうのです。

ハートが全開になっていながら、思考が活動するということはできないことだからです。

ところが、怒りがやってくると、すぐに思考を使うことで、物語の中にはまり込んで、怒りは憎しみや恨みつらみなどへと変化させてしまうのです。

こうなると、怒りはなかなか消えることはありません。結局、溜め込んだ怒りのエネルギーに見合った現実がやってくるということになるのです。

怒りを感じる時には、どんな物語からも外れてただ怒りと一つになることです。それができれば、怒りは扱いやすいお友達にすることもできるのですね。