中道は難しい

私はいつも中道の生き方をお勧めしています。ちょうど真ん中の生き方、どちらかに偏らないバランスの取れた生き方、仏陀がそれを中道と呼んだのです。

中道の特徴は、「イイカゲン」なのではなく、ちょうど良い加減なのです。「テキトウ」なのではなく、適当(適切)な具合なのです。

上記のように本来は素晴らしい意味の言葉なのに、それを揶揄して否定するような意味合いで使われるようになったのは、偶然ではありません。

中道から遠ざかった生き方をしている人にとっては、中道を生きている人に嫉妬して怒りさえ感じてしまうからなのです。

中道は「ワガママ」なのではなく、我がままであるということです。単に本来の自分らしく生きているということ。

それに対して極端な生き方は幼いし、防衛の要素が満載なのです。たとえば日本人は根が真面目なので、何であれ努力するのです。

筋トレにしても、やれるだけの練習量をこなすあまりに、オーバーワークになってしまい、結果として思ったような成果がかえってでなかったりするのです。

筋肉は筋トレによって破壊され、それが修復されるときに増大するのですが、それには48〜72時間かかると言われています。

それなのにせっせと毎日同じメニューで筋肉を追い込んでしまえば、せっかくの修復のときにさらに破壊が起きて、結果として筋肉の増大を妨害してしまうのです。

私が若い頃には、練習中に水分を摂取することを禁止されていました。今では絶対にそんな指導をするコーチはいませんが。

極端は自我が自己陶酔することができる反面、中道は自我が使われないという特徴があるので、誰もが中道を生きるのは難しいと感じるのですね。