地下牢からの解放

今からちょうど20年前に大腸の手術を受けたことがあります。外科手術と聞くと大変なイメージがありますが、受ける本人は麻酔で寝かされていますので、痛くも何ともないのです。

もしも麻酔なしで手術なんてことになったら、死んでも構わないので手術は受けたくないと泣き叫ぶだろうなと思うのです。

そのくらい人間(特に私)は痛みに弱いのです。ところで痛みには身体の痛みと内面的な痛みとがありますね。

内面的な痛みに対しては、都合がいいことに私たちは自ら麻酔をかけることができるのです。それを抑圧と呼びます。

もちろん、そう簡単に抑圧をしてしまうわけではありませんが、度重なる痛み、どうやっても逃げられない痛みが続くと、マインドは自動的に抑圧という手に打って出るのです。

それを無力な幼い頃に常習するようになると、その回路がマインドにしっかりと組み込まれてしまい、あるがままの感情や気持ち、本音などを本人も知らぬ間に隠すようになるのです。

この抑圧というのは自己防衛の中でも中心的なものとして有名です。本人はその抑圧の上に立って生活しているので、まさか自分の足の下に痛みが隠されているとはつゆ知らず。

そのまま生きていければそれで問題はないのですが、抑圧され隠された感情や本音はエネルギーとして必ず本人の人生に影響してくるのです。

そこから逃れることはできません。そして放っておいても、いつかは暗い地下室から表舞台へと出ようとします。

それを自然治癒力と呼びますが、それはそれで辛いものがありますので、その前に癒しによって地下牢からその痛みを解放してあげることが望ましいですね。